SABIAN(セイビアン)HH シンバル

わたくしの記憶が正しければSABIANシンバルがパールのカタログに記載されるようになったのが
1980年代前半の頃。
セイビアンシンバルは、かの有名なZildjian(ジルジャン)社からの分派した会社の製品である、
ということがしきりに宣伝されていたっけ。

今、巡り巡ってその1980年代のシンバルが手元にある。
このシンバルはもうビンテージの部類に入るのだろう。
1980年代、わたくしは10代後半から20代前半だったなぁ・・・。

懐古はさておき。
当時のラインナップクラスは”AA"と”HH"。
HHとはHand hammerの略らしい。AAは・・・なんだっけ?、忘れた。
HHは職人が手仕事でキンコン、カンコンとハンマーで打っていく。
カップ裏に記されている担当職人のサインは職人仕事の証。
打たれた個所は金属の密度が変化して複雑な倍音を持つ独特のシブイ音になるという。

SABIAN HH Sound Control HI-bell Medium Ride '22
セイビアンHH サウンドコントロール・ハイベル・ミディアム・ライド 

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これはハイ・ベルというだけあってカップ音が特に冴える。
エッジ部の音は低い周波のうねりがあって心地よい。視覚的にも”たわむ”。
ピング音は若干小さいが小音量編成にはちょうどよい。
特徴はエッジ周囲3cmほどがフラットになっていること。
チャイナほどまではいかないが、中心からエッジへ向かうほどに水平に近くなる。
サウンド・コントロールの意はエッジ部分がフラットになっているからなのか、
非常に落ち着いたキャラクター。
わざと手荒く叩いてもサウンドは上品にドッシリと落ち着いて簡単には乱れない。

ちなみにラベルが赤いものは俗に言う「赤ラベル」と言われているやら、いないのやら。

SABIAN HH Crash Ride '20
セイビアンHH クラッシュ・ライド

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クラッシュライドにしては打感が硬く感じられて少しだけ「ゴン」という感触。
倍音が暴れるほどではないが落ち着いたトーンのクラッシュ音。
ライドで使う時はシンバル自体の重量バランスが良くて安定したレガートを刻める。
クラッシュシンバルをライド的に使う時にはシンバル自体が軽くてすぐに揺れるので
かえって刻みにくいものだが、両方使えるユーティリティー、
クラッシュ・ライドには相応の扱いやすさがある。
ただ以前に18インチのクラッシュ・ライドを借用して試したが18インチだとチトゆらゆらする。

両者ともに完全なビンテージとまではいかないが、
経年のシンバルだけがもつ味わい深い音色はこれから更に養われて行くに違いない。
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ちなみに・・・わたくし自身はシブい音に特にこだわりはなくて、
これらのオールドシンバルたちを使いこなすには少しだけ重圧感を感じる。
いずれ機会があればこれらのビンテージなサウンドを生音でぜひ。


きょうは、こんなとこ。